【記事紹介】江戸川区、情報公開「拒否」の条例可決 請求権の乱用前提(東京新聞、2016年10月28日)

profile2015

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201610/CK2016102802000129.html

住民からの情報公開請求を「権利の乱用」を理由に拒否できるようにする条例改定案を東京都江戸川区議会が二十七日、定例会本会議で可決した。不開示の部分を黒塗りした資料の閲覧も有料にすることも盛り込んだ全国でも異例の条例。十二月一日に施行される。 (大平樹)

 「何人も行政文書の開示を請求する権利を乱用してはならない」との規定を加え、乱用と認めた請求を拒否できると明示した。都内では渋谷、中野、荒川の各区と西東京市が乱用規定と拒否を定め、足立区が黒塗り資料の閲覧を有料化しているものの、全国市民オンブズマン連絡会議(名古屋市)によると、乱用規定と拒否、黒塗り閲覧の有料化をセットにした条例は「前例がない」という。

 改定条例では、請求が権利乱用かどうかを各課の課長が判断。区の業務を遅らせる目的のものや、特定の部署や職員への圧力目的のもの、請求が大量で区の求める絞り込みにも応じない場合を想定している。区総務課によると、二〇一二年度まで年間約二百件だった情報公開請求は、一三年度以降四百~五百件に増加。特定の個人からの公開請求が件数全体の約七割を占めた。前田裕爾総務課長は「業務に支障が出かねない」と改定理由を説明する。

 一方、毎年約七千枚の明細書や領収書を情報公開請求している江戸川区民オンブズマンの小林幹和代表幹事(75)は「クレーマーのような請求者への対応が必要なのは分かるが、ごく一部の人のために、区民全員に関わる条例を改めるのは問題だ。市民による監視が弱まることにならないか」と懸念する。

 多田正見区長は「情報公開の趣旨を損なうことのないよう、乱用規定の適用は慎重に運用していく」とコメントした。

You may also like...